LA BELLE DAME SANS REGRETS / STING
05.8.3 update
僕には全く知識のない外国語(英語でない事だけは分かってたけど)で歌われるこの曲は、ミディアム・スローのボサノヴァ。
クレジットには、DOMINIC MILLERなる人物との共作とある。

僕はPOLICE時代には全く興味が無かったけれど、脱退後のSTINGには正直驚いた。ソング・ライティングの非凡さに。

この曲の魅力は2つある。

その@
バック・ビートの美しいメロディー・ライン。シンプルな音階が異常に際立っている。(ちなみに、僕にとって最高のバック・ビートのメロディーはもう一つある。MICHAEL JACKSONのJAM。STINGのこの曲とは逆の意味ですごい!)

そのA
キーボード・プレイヤーのKENNY KIRKLAND。
僕は、プレイヤーの演奏をアナライズするのは好きではないけれど、今回は特例!何しろこのこの曲中での彼のプレイは、僕の知る限りでは、ヴォーカル曲の中ではベスト・ワンだと思うから。(今回は異例の「譜面付き」で紹介しちゃう!)

・アドリブ・ソロ・パート
ソロ・パートの始まり2拍・半のピック・アップ・ソロから、4小節間を聴いただけで、完璧にノック・アウトされる。このフィーリングがソロ・パートの最後まで続くんだから、すごい。

ピック・アップから2小節目「D7(♭9)」でのHmP5↓、3〜4小節目「Gm7」でのDORIAN MODEと、完璧なスケールを完璧なメロディーに仕上げたアドリブ・ソロは、この曲を何倍にも高めていると思う。感動的なアドリブ・ソロだなぁ。



・エンディング
各コードで、MINOR 3rd(NOTE E♭ IN Cm7)
ROOT(NOTE D IN D7(♭9))、6TH(NOTE E IN Gm7)をTOP NOTE に置いたバッキングのパターンが何とも官能的。

By Ken



THE END OF THE INNOCENCE / DON HENLEY
05.1.17 update
”無知のままで居つづける事はもうヤメにしよう”という政治的・人生論主張を中心において展開される、この曲の詞的世界観に、僕はすごく惹かれるんです。こうした世界観を DON HENLEY の様に朴としたフィーリングで表現されると、より強力に感賞に突き刺さってきます。
(例えば、この曲を Bruce Springsteen が歌った...と想像して下さい。”彼なら当然・普通・etc...”と、誰しもが B.Springsteen に対するイメージとすぐに合致させる事が出来るでしょう。)

僕の勝手な想像なんですが、DON HENLEY は、EAGLES での輝かしいキャリアの中で、”自分だけの伝達方法”を見つけ、それに磨きをかけていたのではないかなぁ、と思ってます。こうした彼の伝達方法 = 表現方法は単純なラヴ・ソングよりも、こうした強い主張を持った曲(他にも、GOODBY TO A RIVER 等)にピッタリはまる様に感じます。

自分に不愉快な事があった時とか、思い通りに事が進まなかったりした時に、僕は車の中で DON HENLEY のオムニバスMDをよく聴きます。そうすると自分の中にあったモヤモヤの原因が、自分の考えていたものとは別の形で理解出来る様になる事が度々あります。THE END OF THE INNOCENCE には、何度も助けられた思いがします。

曲中の BRUCE HORNSBY のピアノがいいんです。彼はいつでもそうなのですが、コード・サウンドに複数の仕事をさせてしまうんです。その演出の仕方が、彼独特のプレイ・スタイルなんですね。すごいプレイヤーです。

そうです、DON HENLEY という同名異人アーティストが居まして、僕はすっかり大好きな方の DON HENLEY のニュー・アルバムだと思って買ってしまい、音を聴いて”?”となり、ブック・レットを広げて読んでみて”!”。
”ジョーダンじゃねー、ちゃんとチェックしてコーナーに入れろよ!”と某CDショップに対して、やり場の無い怒りを覚えた事を、今、思い出しました。

By Ken



MEET ME HALF WAY / BONNIE RAITT
04.7.7 update
風といっても、涼やかな南国の風じゃなくて、乾草と雨に濡れた土、この2つが混ぜ合わさった、そんな香りのある風を彼女から感じます。無駄なく、でも良く考えられた彼女のギター・プレイと、何故か僕にはセピア・カラーを思い起こさせる彼女のハスキー・ヴォイス。彼女の楽曲・詞・パフォーマンスからは、フィクションでない・想像上のストーリーではない・三人称ではない、そのまんまの彼女を感じます。これは、ありそうで中々ない、です。(リスナーの代弁的アーティストは割と多くいる様ですが。)

いわゆるダンスというと、単にリズムに体を乗せてゆく、言ってみれば肉体的な運動ですが、彼女の音楽の楽しみ方は、内的な・心的な・動きを自分も察知したくなる、その感じを味わうところにある様です。”そのまんま!”なんですね。で、こっちも彼女の”そのまんま!”を味わいたくなる・・・。

それから、何とも言えない色気があるんですよ!5月に、原久美子さんのライブに関する僕のコメントの中に、”人間的な時間とその積み重ね”といった事に少々触れたと記憶していますが、やはり”BONNIE RAITTそのまんま!”と感じさせる域に達するまでの生き様の一面が、”色気”となって表れるのでしょう。

アルバムとしては、”NICK OF TIME”と”LONGING IN THEIR HEARTS”が好きです。
1995年のライブ・ヴィデオ”ROAD TESTED”もいいです。

By Ken



COMFORTABLY NUMB & SORROW / PINK FLOYD  ※LIVE / DELICATE SOUND OF THUNDER
04.3.5 update
僕にとって、PINK FLOYD は、ロック・ミュージックの最高峰にあって、今後もその地位は不動のものと言い切れる唯一無二のバンドです。
単に演奏力だけでは到達し得ない、オーディエンスを完全にフロイド・ワールドに引っ張り込んでしまえる方法論を、彼らがオリジナリティーとして持ち、実践し、キープする事が出来る土台を持っているからです。それは作曲であり、アレンジメントであり、パフォーマンスであり、そして同時にビジネスでもあります。

今回の2曲は、それぞれにスタジオ・レコーディングされたバージョンがありますが、僕はやはりライブ・バージョンを選びます。(しかも、PULSE や THE WALL ではなく!)

楽曲において特筆すべき点は、詞と旋律とが完璧に共鳴し合うまで何度も繰り返されたであろうプリ・プロダクションと、それらを作り上げる彼らのアーティストとしての質の高さが明瞭に現れている事でしょう。

「フロイドはウォータズだ!いや、ギルモアだ!」何度となく繰り返される、いわゆる第3者の身勝手な格付け!(これは、どこにでも転がってますよ!)そんな下らないマスターベーション的思い入れなど、全く介入する余地などない、完璧なまでのパフォーマンスを是非聴いて、見て、下さい。

By Ken



SYNPHONY NO.2 W C MAJOR,OP61 / R.SCHUMANN  ※CONDUCTED BY L.BERNSTEIN
03.10.27 update
クラシック・ミュージックの中では比較的数多く聞くのが「シンフォニー」なんですが、なぜか第3楽章がどうにも退屈な作品が多い様に感じるんです。もちろん個人的嗜好の問題ですが。ところがこのシューマンの交響曲第2番だけは全く別物で、第3楽章が特別に素晴らしく、感動的なんです。メロディー・ラインの美しさ、切なさ、それらを最高のエキスプレッションで聞かせるダイナミクスに、何とも言えない「衝撃」すらおぼえます。
いわゆる「クラシック界の音楽評論家」先生方からは、どちらかと言うとあまり評判が得られない(例えばリズム的にも、ハーモニー的にも難あり、の様に)作品らしいのですが、僕にとってはそんな事とんでもない!

今は亡き名指揮者(作曲家)、レナード・バーンスタイン1990年の最後の来日の際、世界各国からオーディションで選ばれた百数十名の若いミュージシャンを集め、オーケストラを編成し、合宿をしながらバーンスタインが直接指揮するという画期的なイヴェントがあって、これが”ザ・リハーサル”というタイトルでNHKによって放映されました。このVTRは是非皆さんに観て頂きたい、感動的内容です。

この若きオーケストラに対するレクチャーの中心は、何と今回の僕のお宝曲でもあるシューマン作曲「交響曲第2番」なんですから。
それぞれの楽章に対するバーンスタインの心が、彼の一言一言からそれこそ痛いように伝わって来ます。”これこそ音楽!”という言葉の洪水に接する事が出来る、本当に貴重なVTRがではないでしょうか。バーンスタインは、このイヴェントの最中に体調を崩し、イヴェントを終え急遽帰国し、その後惜しまれつつもこの世を去られました。そういう意味では彼の音楽に対する愛情全てが次世代の若いミュージシャンに「生きた言葉」として、それこそ血の滲んだ言葉として伝えられた紛れもない証拠がこのVTRに残されている訳です。そうした意味でも、音楽を愛する方々には是非観てもらいたいVTRだし、是非聴いてもらいたいシンフォニーです。

By Ken



SINCE I'VE BEEN LOVING YOU / LED ZEPPELIN
03.09.12 update
自分は、ブルース・スタイルの曲がどうしても好きにはなれないのですが、この曲だけは特別です。”ZEP.のこの一曲!”と言うと割に多いのが「STAIRWAY TO HEAVEN」や「GOOD TIMES,BAT TIMES等の様な気がしますが、僕は迷わず「SINCE I'VE BEEN LOVING YOU」を選びます。

R.プラント、G.ペイジ両氏の最高のプレイなのではないでしょうか。メロディーをストーリーの展開にそって情緒豊かに歌うハイトーン・ヴォイス。リズミックなアドリブ・ソロ。展開が得意ではないギタリストだけれど、驚くほどメロディックなアドリブ・ソロ、曲全体を通しての緻密なまでのヴォリューム・コントロールを聴かせるギター。間違いなくロック・ミュージックの最高峰と言える曲です。

(今年話題になった”狂熱のライブ”にも録音されていますが、これは全くダメです!聴かない方がいいです!R.プラントは声(ハイ・トーン)が出せないが為に、やむなくメロディー・ラインを崩す事を余儀なくされ、結果、フェイクの山を単に積み上げていくだけ。G.ペイジも最初から最後まで理性的な面を全く見せる事なく、むやみに弾きまくるだけ。あぁ〜残念・・・。ありゃ〜、またボヤキになてしまった・・・)

ともかく、3rdアルバムの「SINCE I'VE BEEN LOVING YOU」は、僕の中ではZEP.最高楽曲であり、ロック・ミュージックのありかたをいつまでも教えてくれる名演なのです。

By Ken



"ONCE UPON A TIME IN AMERICA" "FRIENDSHIP & LOVE"/ ENNIO MORRICONE
03.08.28 update
今回は映画”ONCE UPON A TIME IN AMERICA"から2曲を選びました。どうしても一曲には絞れませんでした。それ程の楽曲、という事で御理解を。

「最高の作曲家は?」と聞かれたら、自分は迷わず「エンニオ・モリコーネ!」と答えるでしょう。それ程に敬愛かつ尊敬するモリコーネの作品の中でも、1、2を競う物が、映画”ONCE UPON A TIME IN AMERICA”のサウンド・トラックでしょう。

モリコーネの楽曲の素晴らしさは、どうにも言葉では表現出来ません、が、あえて言えば”人間の生が染み込んだ芳しい土の香り”かな。

コンクリートではない、一点のシミもないクリスタルではない、磨き上げられたヒノキではない、整然と組み並べられたレンガではない、まさしく”土”そのもの。

映画”ONCE UPON A TIME IN AMERICA"をまだ見た事の無い方、是非見て下さい。映画自体が素晴らしいし、その上、映画音楽の真髄を味わえる事間違いなし!

By Ken



BLUE IN GREEN / MILES DAVIS
03.08.16 update
10小節の美しいコード・チェンジと、文字通り”BLUE”なメロディー、何度聞いても本当にすごい!譜面に描いても、4小節一段として3段で終わり。でも”たった”10小節が、”たった”ではないのです。

アドリブ・ソロをはさんで前後にメロディー・パートがあったとしても、基本の10小節をリピートし続けても全く飽きる事が無く、かえって曲中にどんどん引っぱり込まれてしまう、本当にすごい曲です。こんな曲、2度と巡り逢えないだろうなぁ。僕のお宝曲No.1ですな。

特に、一日の終わり、本当の終わり、つまり「あー眠くなったなぁ、そろそろ寝ちゃおう」なんて思う、今日一日、あるいは今日までの人生を振り返る、そんな気分の時に是非聞いて。
もちろんそこに自分の一番好きな酒があれば尚最高!ただし自分一人っきりじゃないとダメです。複数と一緒に聴くのは御法度。

作者MILES DAVISによるトラックも勿論素晴らしいし、JZEB(カナダのスゴ腕トリオ:ユーゼブと呼びます)のライヴ・ヴァージョンも中々良いです。
是非お試しあれ。

By Ken