胡蝶蘭の上手な植え替え方法
胡蝶蘭はよく開店祝いや移転祝いなどで贈られる縁起の良い花として知られていますが、育て方を知っている人はそれほど多くはありません。
花の鮮やかさを長く保つためには、正しい育て方を知っておく必要があります。
胡蝶蘭は、東南アジアを中心に生息する蘭の仲間で、風通しのよい環境を好みますが直射日光と寒さが苦手となっています。
プレゼントなどでもらうことが多い胡蝶蘭ですが、ラッピング材をそのままにしておくと根腐れを起こしやすくなってしまいますから、ラッピング材をはずしておくことが大事です。
水やりは5~9月の生育期と冬の愛さでは方法を変える必要があります。
生育期は根がよく水を吸いますから、ミズゴケの表面が乾いたら鉢の底から水が流れるくらいたっぷりと水やりをするのがポイントです。
一方冬場はほとんど生長しませんから、ミズゴケが乾燥したら2~3日後に水やりをする程度で十分です。
新しい根が伸びてきたら、置き肥をするか9月いっぱいまで1週間に1回薄めた液体肥料を水やしの代わりに与えていくとよいでしょう。
花が終わった寄せ植えは1株1株に分けて植え換えを行います。
植え替えの時期は4月がベストですが、それ以外でも遅くはありません。ただ1年に何度も植え替えると根を傷めてしまいますから避けるようにしましょう。
胡蝶蘭の植え替えを行う理由は、根や葉を健康に育てるためで、古くなったミズゴケなどにはカビが生えてしまい根を傷める原因になってしまいますから、きれいな花を咲かせるためには定期的に植え替えを行うことが大切です。
植え替えが必要な胡蝶蘭は、3本立てや5本立ての寄せ植えで花が落ちた時や2年以上植え替えをしていない場合となります。
胡蝶蘭には根が鉢にしっかりとくっついていますから、植え替えを行う時にはしっかりと根に水を吸わせてはがれやすくしておきます。
その際根が腐っていないかを確認し、元気がある根以外は熱消毒したハサミで切っていきます。元気な根は緑色をしてぷっくりとしていますから、それ以外は切り取っておきましょう。
ついている土を優しく払って、植え替えを行っていきますが、土の種類によって特徴がありますから、それぞれ特徴を知っておくとよいでしょう。
・ミズゴケは日本で長い間栽培されてきた方法ですが、一般的には少し難しく根腐れを起こしやすいという特徴があります。
素焼きの鉢がもっとも適しています。
・バークは胡蝶蘭が本来木に自生している特徴をそのまま活用した栽培方法で、樹皮を細かくしているため水はけがよく根腐れを起こしにくいことから、日本の生産者でも最近人気となっています。
ポリポットや鉢に最適です。
・ベラボンはヤシの実のチップでできた土で、水を吸うと膨張して広がるので水はけもよく3~5年腐らないと言われています。ただミズゴケより保水性は高くないものの、腐りやすいというイメージがある栽培方法となっています。
素焼きの鉢やプラスティック鉢が最適です。
・炭は根草れを起こしにくく胡蝶蘭の根には優しい素材です。ただ肥料の管理が難しくきれいな花を咲かせるにはコツも必要となります。
このように、それぞれの土にはメリットやデメリットがありますから、自分の管理にあった方法で栽培することが大切です。
胡蝶蘭の植え替えのポイントとしては、株を一つずつ分けることや根を傷めないように植え込み材から優しく離し、枯れている根を切る。胡蝶蘭の植え込み材をあわせる。こういったポイントを守ることが大切です。
また直径と高さが同じくらいの鉢を利用すれば、根が傷む心配も少ないので鉢選びも重要となります。
基本的に胡蝶蘭は寄せ植えになっていますから、植え替えは一つずつ株を離して管理してあげます。
根は清潔な手とハサミを使って行い、根に絡まった植え込み材は取り除いて枯れた根は切り取ります。
ミズゴケもバークもすべて新しいものに換え、水に浸してから根を包んで鉢に入れていきます。
根が腐っていた場合は根が弱っていますから落ち着くまで2週間ほどは水やりは控えた方がよいでしょう。
胡蝶蘭は直射日光が苦手ですから、植え替えをした後は直射日光があたらない風通しのよいところに置きます。ただ強い風は逆効果ですから、扇風機やエアコンの風があたるところは避けましょう。
日を遮ることができるのであれば、外に置いても大丈夫です。屋外であれば35度までは耐えることができますが、室内では高くても30度までにしておきましょう。
胡蝶蘭は暑すぎても寒すぎてもうまく育ちませんから、冬は15度以下、夏は30度をすぎないような場所に置くとよいでしょう。
もともと胡蝶蘭は肥料を必要としない花ですし、肥料を使う場合は薄めて使うことが大事です。
植え替えをした後も肥料をすぐにあげないで、1ヶ月ほどは様子を見てから肥料を与えるようにしましょう。
胡蝶蘭は適切に管理を行えば、長く花を咲かせてくれますから、愛着を持って育ててあげましょう。